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アルマイト加工

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硫酸アルマイトとは

表面に形成された細孔に様々な色に染色可能

皮膜はシルバー系の金属色で、表面に形成された細孔に様々な色に染色できる特徴を持っています。スマートフォンの外装色やアルミサッシ等、アルミ製品の多くがこの皮膜を利用しています。 染色性に優れ、特に外観重視の製品に向いています。染料の浸透がしやすく、製品の色調を多様に変えることが可能です。そのため、家電の外装、照明器具、自転車部品などに広く利用されています。また、処理コストが比較的低いため、量産向けの製品にも適しており、大量生産が求められる分野で活躍しています。

硫酸アルマイトの特長

  • 薄い皮膜が形成され、染色性に優れている
  • コストが安く、量産向けの製品に適しており、家電や装飾品、自転車部品に広く使用されている

シュウ酸アルマイトとは

硫酸アルマイトより緻密な皮膜で、耐食性が高い

硫酸アルマイトより緻密な皮膜で、耐食性が高いという特徴を持っています。機械部品や半導体装置部品等に使用されています。また、シュウ酸アルマイトは処理温度が高いため、生成される皮膜は非常に強靭で、腐食性環境に強い耐性を持ちます。このため、海洋構造物や化学薬品を扱う設備などにも適しています。

シュウ酸アルマイトの特長

  • 厚く緻密な皮膜が形成され、耐摩耗性と耐食性に優れ、航空機や医療機器など高機能部品に使用されている
  • 高温で処理されるため、皮膜が厚くなり、腐食環境に強い耐性を示す

硬質アルマイトとは

硬さを特徴とした皮膜

硫酸アルマイトやシュウ酸アルマイトと比べ硬さを特徴とした皮膜です。この皮膜は高硬度で、耐摩耗性と耐食性に優れています。特に、機械部品や自動車部品、金型などの耐久用途において、非常に高い耐性を発揮します。さらに、硬質アルマイトは優れた電気絶縁性を持ち、電子機器部品にも適しています。これにより、精密機器や高耐久が求められる産業分野で重宝されます。高い耐摩耗性と耐食性により、部品の長寿命化が可能となり、コスト削減にも貢献します。

硬質アルマイトの特長

  • 高硬度の皮膜が形成され、耐摩耗性と耐食性に優れ、機械部品や自動車部品などの耐久用途に適している
  • 優れた電気絶縁性を持ち、電子機器部品などにも使用されている

各加工の比較表

区分 硫酸アルマイト シュウ酸アルマイト 硬質アルマイト
処理概要 硫酸浴中で処理する最も一般的な処理 硫酸浴より高温で処理でき、電圧が高い 低温の電解槽中で処理し、厚く硬い皮膜を生成する
主目的・特性 防錆、装飾性(着色)
・膜厚:5~20μm
・色:無色~灰色
防錆、耐摩耗、絶縁性
・膜厚:5~40μm
耐摩耗、耐食、絶縁性
・膜厚:30~60μm
・色:灰色~褐色
使用例 建材、工業製品、家庭用品、装飾品 半導体部品、機械部品 シャフト・ロール等摺動部品、航空機部品
経済性 薬液が安い、排水処理費が安い 薬液が高い、電力費が高い、
排水処理費が高い
電力費が高い、光熱費が高い
透明性 透明皮膜(合金により着色) 皮膜が黄色 皮膜は材質により異なるが一般的に
黒くなる
染色性 ・ 電解着色性 透明で染料の吸着性がよい
電解着色の1次皮膜として多用
染色性が悪い 染色性が悪い
耐食性 優れている 優れている 優れている
耐摩耗性 硬度 200~250Hv 硬度 300~350Hv 硬度 400~450Hv 耐摩性良好
皮膜生成スピード 12~15μm/40分 9~10μm/40分 32~80μm/40分

加工可能な
材質・サイズ

材質

アルミニウム5000系(Al-Mg系合金)

アルミニウム6000系(Al-Mg-Si系合金)

サイズ(MAX)

500㎜×1700㎜×1000㎜