クニマイト皮膜

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クニマイト皮膜とは

400℃でzeroクラック・zeroパーティクルを実現

クニマイトの特長は、高温環境下でもアルマイト皮膜にクラックが発生しないことです。400℃に加熱しても皮膜にクラックは発生しません。

その結果、クラックによるパーティクルの発生もないため高温になる部品にも使用することが可能です。

クニマイト皮膜の特長

  • 50μmの膜厚を形成することで、400℃で3時間加熱しても表面にクラック・パーティクルが発生しない
  • これだけの高耐熱性をもつ加工技術は世界でクニマイト皮膜だけである

クニマイト皮膜の仕組み

【 シュウ酸アルマイト構造 】

【 クニマイト皮膜のアルマイト構造 】

●優れた耐熱性
通常のアルマイト皮膜/100℃以上の環境ではひび割れが起こる
クニマイト皮膜/400℃の高温環境でもクラックが発生しないため、パーティクルも発生しないので、耐食性も維持される


●耐アルカリ試験
通常の沸騰水封孔処理をしたアルマイト皮膜/3分程度の耐食性
特殊封孔をしたクニマイト皮膜/7分程度の耐食性

各種測定・データ

【 クラック調査(目視)でのクラック発生本数 】

加熱温度 25℃ 150℃ 300℃ 400℃ 500℃
シュウ酸アルマイト加工 0.0 50.4 231.3 ※1 247.4 ※1 710.2
クニマイト皮膜 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
※1:チャンバー内温度が300~350℃では、1平方センチで約5,983本のクラックが発生する
加熱温度 300℃ 400℃ 500℃
シュウ酸アルマイト加工
サイズ:2×2mm
膜厚:50μm
クニマイト皮膜
サイズ:2×2mm
膜厚:50μm

本来、アルマイト皮膜は電気絶縁体です。しかしアルマイト皮膜を加熱すると表面にクラックが入るので、そこから電気が流れます。


その点、クニマイト皮膜は高熱に加熱してもクラックが入らないので、電気絶縁性が保持されます。従来は、エッチングチャンバーが高熱化することにより、電気絶縁性が低下して不安定なプラズマ状態となり、エッチングに支障をきたしていました。

クニマイト皮膜は、400℃という高温下でもクラック・パーティクルが発生せず、安定したプラズマ状態を作り出します。

各皮膜の比較表

区分
超耐熱性
アルマイト
耐食性
耐熱性
アルマイト
超耐食性アルマイト
従来の
アルマイト
皮膜名称 クニマイト ロロマイト ヤギマイト カワマイト シュウ酸
アルマイト
材料 A6061 A5052 A5052 A5052 A6061
膜厚(μm) 25 25 25 20 25
10%アルカリ耐食試験
(秒)
(JIS H8681-1)
420 657 672 11369 645
5%塩酸耐食試験
(時)
(発泡までの時間)
0 60 60 公的機関にて
測定中
48
耐熱性
(℃)
(クラック未発生温度)
400 250 130 120 130
耐電圧
(kV)
(JIS H8687)
1.48 (25℃)
1.69 (400℃)
※50μm
1.61 (25℃)
1.81 (250℃)
2.35 (25℃)
0.31 (250℃)
4.79 (25℃)
(50μm)
2.39 (25℃)
0.35 (250℃)
耐摩耗性
(シュウ酸を分母として)
(JIS H 8682-1)
往復運動平面摩耗試験
測定予定 0.97 1.58 未測定 1.00
ガス放出速度 50時間後
(測定 山口大学 栗巣先生)
(2023年度表面真空学会)
(Pam3 s-1 m2 )
5.491x10-6 未測定 3.064x10-5 未測定 4.945x10-5
プラズマエッチング量
(μm)
(測定 山口大学 栗巣先生)
CF4 60%,O2 40%、
プロセス圧力 5Pa
投入電力100W
エッチング時間 300分
エッチング中温度 110℃
13.4 未測定 12 未測定 19.3

加工可能な
材質・サイズ

材質

アルミニウム5000系(Al-Mg系合金)

アルミニウム6000系(Al-Mg-Si系合金)

サイズ(MAX)

500㎜×1700㎜×1000㎜