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アルマイト加工とは

アルマイト(陽極酸化処理)とは、アルミニウム素材の表面に表面に酸化アルミの皮膜を施す表面処理方法です。アルミニウムは空気に触れることで自然に薄い酸化皮膜を形成しますが、その膜は数ナノメートルと非常に薄いため、傷や腐食が素地に達しやすい特徴があります。そこで、耐食性や強度の向上、さらには絶縁性を付与する目的で、人工的に酸化皮膜を形成するアルマイト処理(陽極酸化法)が一般的に行われています。


また、この処理により表面の見た目をある程度調整できるため、デザイン性を高めることも可能です。当社では通常のアルマイト加工よりも更に高耐熱性・高耐食性を実現した、独自の加工技術でさまざまなニーズに応えるアルマイト加工を提供しております。

独自技術アルマイト加工

400℃の耐熱性を実現

クニマイト加工

特許取得

クニマイトの特長は、高温に強い皮膜で、50μmの膜厚を400℃で3時間加熱しても表面にクラックが発生しない皮膜であることです。(FE-SEMにより確認)また、400℃以上の高温に加熱しても皮膜にクラックが発生しないのは世界でクニマイトだけで、高温になる部品にも使用することが可能です。

従来の約5倍の耐食性を実現

ヤギマイト加工

ヤギマイトの特長は、皮膜の表面に1μm程度の緻密層を形成していることです。緻密層は、孔表面を塞ぐカバーの役割を持っており、 半導体製造装置内でのエッチングガスや腐食性を持つ溶液から皮膜を守ります。耐アルカリ試験では、従来の5倍の耐食性を実現しています。封孔度に優れているため、質量減もありません。

高耐熱性高耐食性の両立

ロロマイト加工

クニマイト×ヤギマイトの最新加工技術

耐熱性、耐食性を両方を兼ね備えたアルマイト加工の二刀流です。※ページ準備中です。

アルカリ成分に対応した高耐食性皮膜

特許取得 カワマイト加工

カワマイトの特長は、皮膜表面の緻密層が1~10μmあり、アルカリ耐食性に非常に優れた皮膜です。

各皮膜の比較表

区分
超耐熱性
アルマイト
耐食性
耐熱性
アルマイト
超耐食性アルマイト
従来の
アルマイト
皮膜名称 クニマイト ロロマイト ヤギマイト カワマイト シュウ酸
アルマイト
材料 A6061 A5052 A5052 A5052 A6061
膜厚(μm) 25 25 25 20 25
10%アルカリ耐食試験
(秒)
(JIS H8681-1)
60 657 672 7200 645
5%塩酸耐食試験
(時)
(発泡までの時間)
0 60 60 48 48
耐熱性
(℃)
(クラック未発生温度)
400 250 130 120 130
耐電圧
(kV)
(JIS H8687)
1.48 (25℃)
1.69 (400℃)
※50μm
1.61 (25℃)
1.81 (250℃)
2.35 (25℃)
0.31 (250℃)
4.79 (25℃)
(50μm)
2.39 (25℃)
0.35 (250℃)
耐摩耗性
(シュウ酸を分母として)
(JIS H 8682-1)
往復運動平面摩耗試験
0.30 0.97 1.58 未測定 1.00
ガス放出速度 50時間後
(測定 山口大学 栗巣先生)
(2023年度表面真空学会)
(Pam3 s-1 m2 )
5.491x10-6 未測定 3.064x10-5 未測定 4.945x10-5
プラズマエッチング量
(μm)
(測定 山口大学 栗巣先生)
CF4 60%,O2 40%、
プロセス圧力 5Pa
投入電力100W
エッチング時間 300分
エッチング中温度 110℃
13.4 未測定 12 未測定 19.3

加工可能な
材質・サイズ

材質

アルミニウム5000系(Al-Mg系合金)

アルミニウム6000系(Al-Mg-Si系合金)

サイズ(MAX)

500㎜×1700㎜×1000㎜

その他のアルマイト加工

硫酸アルマイト

皮膜はシルバー系の金属色で、表面に形成された細孔に様々な色に染色できる特徴を持っています。iPhoneの外装色やアルミサッシ等、アルミ製品の多くがこの皮膜を利用しています。

シュウ酸アルマイト

硫酸アルマイトより緻密な皮膜で、耐食性が高いという特徴を持っています。機械部品や半導体装置部品等に使用されています。

硬質アルマイト

硫酸アルマイトやシュウ酸アルマイトと比べ硬さを特徴とした皮膜です。機械部品などの摺動部に多く使用されています。

各加工の比較表

区分 硫酸アルマイト シュウ酸アルマイト 硬質アルマイト
処理概要 硫酸浴中で処理する最も一般的な処理 硫酸浴より高温で処理でき、電圧が高い 低温の電解槽中で処理し、厚く硬い皮膜を生成する
主目的・特性 防錆、装飾性(着色)
・膜厚:5~20μm
・色:無色~灰色
防錆、耐摩耗、絶縁性
・膜厚:5~40μm
耐摩耗、耐食、絶縁性
・膜厚:30~60μm
・色:灰色~褐色
使用例 建材、工業製品、家庭用品、装飾品 半導体部品、機械部品 シャフト・ロール等摺動部品、航空機部品
経済性 薬液が安い、排水処理費が安い 薬液が高い、電力費が高い、
排水処理費が高い
電力費が高い、光熱費が高い
透明性 透明皮膜(合金により着色) 皮膜が黄色 皮膜は材質により異なるが一般的に
黒くなる
染色性・電解着色性 透明で染料の吸着性がよい
電解着色の1次皮膜として多用
染色性が悪い 染色性が悪い
耐食性 優れている 優れている 優れている
耐摩耗性 硬度 200~250Hv 硬度 300~350Hv 硬度 400~450Hv 耐摩性良好
皮膜生成スピード 12~15μm/40分 9~10μm/40分 32~80μm/40分